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you you you all the same大日野武則



――そもそもバンドを始めるキッカケは何だったんですか?
大日野 :  バンドを始めたのは高校になってからなんですけど、キッカケは中学のときPENPALSに憧れてベースを始めたことですね。ただ、周りに音楽好きなヤツもいなかったですし、家でベースを勝手に弾いてただけでしたけど(笑)。で、PENPALSっていろんな引用をするバンドじゃないですか。そういうのもあって、PENPALSからオルタナをディグりまくって、いろいろ聴いてました。
――最初に触れた楽器がベースというのはめずらしいかもしれません。
大日野 :  林さん(PENPALS:Ba./Vo.)の存在も当然あったし。あとは完全に見た目から入りました。何か強そうに見えたんで(笑)。
――ありがちですけど、弦が少ないから簡単かと思ったりも?(笑)
大日野 :  それもありましたね(笑)。
――そして、高校へ進んでバンドを始めると。
大日野 :  やっぱり、バンドがやりたくて、軽音部がある高校へ行きたかったんですよ。ただ、ウチの学区だとひとつしかない上にちょっと頭がいいところだったんで、軽音部に為にクソ勉強しましたよ(笑)。で、念願の軽音部に入り、バンドもやり、頑張ってましたね。
――進学校となると、真面目に勉強もしなきゃいけない空気感とかありませんでした?
大日野 :  ありました。だから、軽音部で部長をやりながらちゃんと受験勉強もして、無事に大学にも合格できたし。常に選択肢は多い方がいいじゃないですか。その為には、頑張れることはしっかりやる。高校生だったら、勉強と部活ぐらいしかないわけで、どっちもやろうって。
――では、大学へ進学後はどういった活動になりました?
大日野 :  大学に入ったころ、自分の中でWEEZERが大ヒットして、いわゆるパワーポップにドハマりしたんですよ。だから、そのパクリみたいなバンドをひたすらやってましたね(笑)。で、Yacht.も近いシーンでやっていたので、間に繋がる友達のバンドがいたりして。大学3年のとき、自分のバンドが解散して、その友達のバンドに紹介してもらい、Yacht.に加入しました。2005年でしたね。
――ただ、それって急展開ですよね。大学3年となると、就職活動も始まったりするわけで。そのタイミングで新しいバンドへ飛び込んで動き出すという。
大日野 :  正直、めっちゃ苦しかったところもあって。もちろん、音楽をやりたいっていう気持ちが強かったし、周りの目が気になったわけでもないんですけど……同じ境遇のヤツが誰もいないし、相談する相手もいない。そのへんがちょっと辛かったというか。
――自分の答えが決まってたとしても、誰かにこぼすことで楽になったりしますからね。しかしながら、そこで音楽を選んだと。
大日野 :  そうでしたね。音楽で食おうと思ってたし、売れてやるっていう気持ちもあったというか。今になって考えれば、幼い考えだし、すっからかんだったなと思いますけどね(笑)。
――Yacht.に加入してからは、かなりのスピードで活動が進んでいきました。2006年に1stフルアルバム『Nap'in Pop !』をリリースし、その翌年にはメジャーデビューも果たします。
大日野 :  言ってしまえば、ラッキーボーイですよね(笑)。入ったバンドがすぐリリースもして、メジャーにもいって。周りからもそういう目で見られてたと思うし。
――当時を振り返るとどうですか?
大日野 :  もう訳がわからなかったですね。それまで、アルバムを作ったことがないような人間だったわけだし、関わるスタッフも多かった。すべてを把握できない感もあって……まあ、飲み込まれてましたよ(笑)。
――音楽的にはやりたいことを追求できていましたか?
大日野 :  それも難しいところで。そういう環境でやる以上、いろんな人の意見が入ってくるじゃないですか。当たり前のことなんですけど、若さ故なのか、それが許せないみたいな思考にもなってたんですよね。とにかく自分が未熟だったし、周りを巻き込むだけの力がなかったからそうなってるのに、当時はそこに気づけないという。
――率直にお伺いしますけど、その当時のバンド活動は楽しかった?
大日野 :  楽しめる余裕がなかったというのが正直なところです。例えば、フェスに出演しても嬉しいけど感動できないみたいな。もちろん、嬉しいことは嬉しいんですけど、自分の力がそこに直結したっていう感覚がなかったんですよ。もし、デモCDの手売りから始まって、その規模をどんどん大きくしていって、フェスでワーッと盛り上がるような状況になったら泣くぐらいの感動があるだろうけど……なんかこう、自分自身のしてきた行動が薄っぺらすぎて、そう感じることができないっていう。
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――そして、2011年にYacht.は解散を迎えました。このタイミングでバンドから離れるという選択肢もありましたよね。
大日野 :  実際、半年ぐらいはバンドをやるかどうか悩みましたね。年齢的にも25歳になってて、周りの友達を見たらバリバリと仕事をして、結婚するヤツもいたりとか。比較するつもりはないけど、無意識のうちに考えちゃうんですよね。で、悩んだ結果、まずYacht.でもお世話になってたギターテックの会社の人に相談したんです。自分でエフェクターを工作するのも好きやったし、「職場体験みたいなのをさせてもらえないですか?」って。Yacht.をやってるときに、冗談半分ですけど「ウチに来るか?」みたいなことも言ってもらってたのもあったし。
――バンドではなく、裏方の仕事に飛び込んでみようと。
大日野 :  そうでしたね。それで、MONKEY MAJIKのライヴへ行って、裏方の仕事を手伝わせてもらったんです。そうしたら、袖で観たそのライヴに凄く感動して、ちょっと惨めな気持ちになったというか。ギターテックの仕事がダメだっていうわけじゃないですよ。「ちょっと前までそっちにいたのに、もうステージに上がれないのか?」って考えてしまって。それがキッカケになり、またバンドをやろうと決めたんです。
――その後、東京に拠点を移し、ヒダカトオルバンドに参加しつつ、ご自分のバンドであるyou you you all the same(以下、yyyats)をスタートさせました。
大日野 :  他のバンドマンがどうかわからないんですけど、オレはたくさんやりたい音楽があって。そのとき、インストのジャムバンドみたいというか、トミー・ゲレロみたいなバンドをやりたいのがまずひとつ。もうひとつが、Ghost & Vodkaを聴いてめっちゃ影響を受けたんですけど、そういったエモのバンドもいいなと。で、そのうちの後者がyyyatsだったんですよね。声をかけたいメンバーが周りにいたというのもあって、すぐにスタートさせました。
――しかし、どうしてyyyatsはインストをやろうとしたんですか?
大日野 :  アイデアとして、「Dinosaur Jr.からJ・マスシスの歌を省いたらどうなるんだろう?」というところからスタートしてるんですよ。だから、今はインストとしてやってますね。ただ、そこに凄くこだわってるということもなくて。いろんなことに挑戦したいスタイルのひとつではあったりするし。
――となると、インストをやるのは実験欲とでもいいますか。
大日野 :  それはありますね。ずっと歌モノで育ってきたし。なんかこう、もっと自由になりたいっていうか。いわゆる定番の形、AメロからBメロに続いてサビがあるみたいなのが退屈に感じることもあって。で、そういう極端なことをやったとき、初めてスタイルができるはず。だから、今はそこへ向かいたい気持ちがあるんですよね。
――心持ちとしては、先駆者を目指したいという。
大日野 :  もちろん、そういった音楽の発明みたいなモノはなかなかできることじゃないし、一生にひとつできるかどうかだと思うんです。ただ、いい歳にもなってきたし、そういったところを目指してもいいんじゃないかなと。あと、気持ちとして、新しく始めるバンドとは長く付き合っていきたいと考えたんですよね。そのときの空気でパッとやってみて、ウケないから止めるみたいなのは絶対に嫌やったし。
――いろんなことにチャレンジしながら、自分の音楽を突き詰めていきたい気持ちがあるんですよね。
大日野 :  そうですね。だから、先ほどインストにこだわってるわけじゃないって言いましたけど、この先に歌が入ることになっても全然いいんですよ。あくまで現状はこういうスタイルでやってるというだけだし。
――何か他に考えてるアイデアはありますか?
大日野 :  例えば、トリプルギターにして、ベースレスにしても面白いかなとか。American Footballはツインギターでベースレスなんですけど、めっちゃ重低音が出ていながらキラキラしてるんですよね。だったら、トリプルギターにしてもいけるんじゃないかと。
――ご自身がベーシストなのにベースレスもアリなんですか?(笑)
大日野 :  やってみる価値はあるかなと(笑)。
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――こうやって話を伺ってると、自分自身の音楽活動を振り返ったときに、真摯に向き合っていた証として誇れるように挑んでるのかなと感じました。
大日野 : :  その気持ちは凄くあるというか……それしかないかもしれないです。今はセールスのことはどうでもよくて。まずは、自分にウソをつかずにできるかだけが重要だし。それを積み重ねていけば、後に「この音楽は違ったかもな」と思ったとしても、その音楽を愛せるだろうし。
――加えて、現在はバンドに関わることをすべてご自分でやられてますよね。Yacht.時代に実感が湧ききれなかった経験があるからこそ、何かを成し遂げたときの為にそうしたいという想いも?
大日野 :  贅沢な悩みかもしれないですけど、オレからしたらそれがコンプレックスだったし。あのときの気持ちがあるから過剰になってるかもしれないけど、進んで苦労もしたいし、泥水だって飲みたい。そんな気分ではあります。
――今後に関して、yyyatsはどういった存在として活動をしていきたいと考えてますか?
大日野 :  わかりやすく、武道館でやりたいみたいなのはないんですよね。ただ、どんどん広めてたくさんの人に聴いてもらいたいし、「面白いバンドが出てきたな」って認識してもらえれば。まだまだ精度は甘いですけど、「新しいね」って言われたら嬉しいし。まずは、ちょうど配信を開始した1stミニアルバム『砂の堤防』でそういう反応が少し起こったらいいなと。
――極端な話かもしれませんが、CDが100万枚も売れることよりも100人が何かに気づいてくれたとか10人の人生を変える曲が生まれることに喜びを感じるようなことも?
大日野 :  そういう気持ちはありますね。加えて、そういう風にシフトして欲しいと思ってるのもあって。それは悪いわけでもないんですけど、食えなくなったから音楽を辞める人もざらにいるじゃないですか。でも、音楽はそんな簡単に成し遂げられるモノじゃないだろうし、もっと時間がかかることでもあるし。生活の中で音楽をどう置くのかっていう話なだけで、辞めなくてもいいんじゃないかなって。まあ、まずは自分が心底から感動できる音楽を作って、それをみんなに楽しんでもらえるようなライヴをしていきたいですね。自分の中だけで完結してたらバカみたいだし。
――単なるマスターベーションはつまらないと。
大日野 :  自己満足的な気持ちも大切やと思うんですけど、それだけで終わるは嫌ですね。ホントに好きなことをしっかり集中してやって、ちょっと変わった音楽をやってるとは思うんですけど、いろんな人に「いいよね」って言ってもらえるようなライヴや活動をしていきたいと思ってます。




you you you all the same
大日野を中心に、活動休止中のLOCAL SOUND STYLEの後藤祐介(THE STARBEMS)と齋藤康輔、ex.maegashiraの山本慎也が集まり結成。エモ、ポストロック、グランジ等をルーツにしながらも、新たな解釈を持ったロックサウンドを構築。2014年11月12日より、iTunesとAmzon mp3にて1stミニアルバム『砂の堤防』を配信開始。バンドマンや耳の早いオーディエンスのみならず、多岐にわたったシーンから注目を集めている。



http://yyyats.com