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AGEOまちフェス2015

AGEOまちフェス 2015
2015.10.10 埼玉県上尾駅周辺
フラワーカンパニーズ / セカイイチ / 土屋礼央(TTRE) / ビアンコネロ / Chris Van Cornell
TWEEDEES / 葵ミチェル / あいみょん / LIFrends


 "本物の生きた音楽(Professional Live Music)"を身近に楽しんでもらおうと、埼玉県の上尾駅を中心とした東西のショッピングエリア"まちなか"を会場としたAGEOまちフェスが10月10日に開催された。  当日は「上尾駅東口ペデストリアンデッキ特設ステージ」、「カフェ・ド・グランベル」、「ショーサンプラザ・センターコート」の3会場でライヴが展開されたが、その中でもアコースティックCafeライヴが行われたカフェ・ド・グランベルの模様を中心に当日の流れをレポートしていきたい。

 まず、カフェ・ド・グランベルへ向かうと、フェスとしても回数を重ねて期待感が増しているのだろう、オープン前から長蛇の列。街に根付いてる感があり、その光景に心を踊らせていると、トップバッターとして昨年に引き続き出演となったビアンコネロが登場する。
 3人が織り成すハーモニーと歌心が絶品な彼らだけあって、アコースティック形式のライヴは聴き応え十分。軽快なMCでオーディエンスの心を惹きつけながら、抜群のコーラスワークが堪能できる「窓の向こう」や「最終電車」を奏でていく。心地よく、体温を感じさせてくれるパフォーマンスだ。
 また、それだけに留まらず、楽しさを大勢で共有したいというバンドのスタンスも彼らの魅力のひとつ。中盤には、カホンを担当していた古川が突如としてキャップとサングラスを身にまといマイクを持ち、ギター・ヴォーカルの古賀とコミカルな掛け合いをした後、全力でダンスをしながら「なんちゃってアイドル」を熱唱。古き良きアイドルソングをオマージュした曲でさらなる一体感を生み出してから、まっすぐなドライブ感がたまらない「1.2.3.4.5.6.七」、結婚式前夜の新郎の気持ちを歌ったという「馬の骨」を披露。しっかりと聴かせ、楽しませ、いい空気感を生み出す。まさにトップバッターとして、素晴らしいステージだった。

ビアンコネロ、Chris Van Cornell


 次に登場したのが、オーガニックとエレクトロを融合させた"フォークトロニカ"を基盤として、2012年に結成されたChris Van Cornell。固定のパートが存在せず、メンバーが様々な楽器を持ち替え、その曲がいちばん活きるエッセンスを施していく非常に珍しいスタイルはサウンドとしてもルックスとしても面白く、常に好奇心を誘ってくれるバンドだ。
 印象的だったのは、彼らならではのアンサンブルが味わえた「leave it to me」、より歌へシフトする為か、日本語のリリックを増やした「五月のある日」といった曲たち。変化を恐れず、今のバンドの行く先をどんどん表現していく。ライヴへ足を運ぶ意味がそこにあるのだ。
 ラストはハンズクラップで鮮烈さを醸し出し、高揚感でフロア全体を包み込んだ「tatata」で締め括る。そのポテンシャルを存分に魅せつけ、多彩ながらもすっきりとした音色で秀抜な輝きを示してくれた。現在、ニューアルバムを製作中だという彼ら。今後の進化も見逃せないだろう。
 そこから一変、アコースティックギターに歌という実にシンプルな構えで登場したのは、過激なリリックで各方面から注目を集めているあいみょんだ。今年3月にシングル『貴方解剖純愛歌 ~死ね~』という強烈なタイトルを持つ作品でデビューした彼女だけあって、どんなパフォーマンスをするのかと心待ちにしていた。
 ステージ中央に立った彼女、パッと見は可愛らしい女性なのだが、1曲目の「幸せになりたい」でアコギをかき鳴らすと表情がグッと引き締まり、そのパワフルで頼りがいのある歌声で只者ではない雰囲気を醸し出す。  続いて、フロアから自然発生的にハンズクラップが巻き起こり、数多くの過去の流行語をフィーチャーした「ナウなヤングにバカウケするのは当たり前だのクラッ歌」を披露。「古き良き言葉を忘れないで」というメッセージがこめられているという、この曲。彼女の独特なセンスが遺憾なく発揮されており、耳馴染みのいい違和感とでも言うべき感覚が全身を貫いていく。
 また、大勢へ向かってというよりも、ひとりひとりをしっかり見つめて歌っている姿も非常に魅力的。彼女が着実に支持を集めている理由はここにあるのかもしれない。その後もカバー曲や新曲「好きって言ってよ」を放ち、フォークソング的懐かしさはあるが古さはない、あいみょんならではの世界観をアピールしていった。

あいみょん、葵ミチェル


 そのステージに後ろ髪を引かれながらショーサンプラザへ足早に移動すると、Rakuten.fmでDJを務める等、グッと注目を集めている葵ミシェルが凛とした立ち姿で「I'm here」を熱演中。適度な重みを持ちながら、柔和にナチュラルな気持ちを素直に歌い上げる。背伸びすることもなければ、妙に卑下することもない。歌とアコースティックギターのみで想いを懸命に届ける姿勢。思わず足を止める人も見受けられ、曲を追う毎にオーディエンスもどんどん増えていく。
 後半戦ではカバー曲「You're Still The One」や自然とハンズクラップが起こるほどノリの良い「そんな風に生きていたい」も披露。スタンダードでありながらも奥深い彼女のスタイルを存分に堪能できたパフォーマンスだった。

 カフェ・ド・グランベルでは、アコースティック形式のライヴが初めてだという、メロディーラップバンドのLIFrendsが登場。「不慣れながらも全力で、笑顔で帰ってもらえるように」と、カフェライヴでありながらもバンドのノリをしっかりと出し、軽快かつポジティブなラップが秀逸な「M-1」を繰り出す。フロントのSHUNKUN、MAKOTO、FUNKYの3人が思いっきり跳ね、会場となっているカフェがまるでライヴハウスの様相。
 そのフロアの熱気で固さもとれたのか、じっくり聴かせるような従来のアコースティックライヴ的な概念を飛び越え、グイグイと攻め立てていくメンバー。これは、パーティーバンドの面目躍如といったところだろう。
 AGEOまちフェスへの謝辞を述べてから、「曇り空が晴れるように」とSHUNKUNが見事に歌い上げた「M-4」、フロア中でタオルが振り回されるほどの盛り上がりを見せた「M-5」と続け、締め括りの「M-6」ではオーディエンスの大合唱が起こるクライマックス感。彼ららしい、実にハッピーなバイブスが満ち溢れていた。

LIFrends、TWEEDEES、沖井礼二、cymbals、清浦夏実


 そして、サウンドチェックの流れからゆるやかにTWEEDEESのライヴがスタート。新進気鋭のシンガーである清浦夏実とあのCymbalsの中核を担い、解散後はソロ活動を展開しながら名コンポーザーとして活躍する沖井礼二がスタートさせたユニットだけあって、オーディエンスの注目度も相当高かったように思う。
 まずは、緩やかなトークからパッと耳にすれば離れることがない良質なメロディーとポップセンスが光る「Rock'n Roll is DEAD?」や「ブリキの思い出」を奏でる。半年ぶりのアコースティックライヴということのようだったが、当然のようにハイクオリティ。会場の温かい雰囲気もあってか、沖井と清浦のくだけたトークも盛り上がり、曲だけではなく、トータルのパッケージとして楽しませる余裕もあるほどで、瞬く間にオーディエンスを魅了していった。
 11月にはニューシングルを7インチと配信でリリースする予定もあり、更なる広がりを見せるはず。要注目の存在だ。

土屋礼央、RAGFAIR、TTRE、ビアンコネロ


 いよいよフェスもクライマックスへ。カフェ・ド・グランベルにて、「2回目の出演、最後の出番。条件は揃った!」と土屋が語ってから、トリを飾るTTREのライヴがスタート。まずは「今日は上尾まちフェス」と名付けられた1曲目で詰めかけた満員のオーディエンスとのコール&レスポンス。そこでいい流れを作り、そのまま無邪気さすら感じるほどの楽しげな表情で「忍ばせろミュージック」と続けるのだからもうたまらない。  曲中、照明が一瞬だけ消えるトラブルもあったのだが、それも「誰かが誕生日だからだ! ハッピーバースデー!!」とポジティブな演出にしてしまう土屋のバイブスも素晴らしく、理屈抜きに楽しめる空間が構築されていくのだ。
 「おい!」では、みんなで盛り上がりたいということで、TTRE流のコールを共有し、フロアの熱気を最大限にまで高め、締め括りは盛大なハンズクラップを巻き起こし、その歌にすべてのオーディエンスが身を委ねた「ユラユラ」から、「AGEOまちフェス!」とリズムに乗せて声を上げ、まさに大団円……と思ったが、まだまだ冷めやらないオーディエンスからの呼びかけもあり、そのままトップバッターとして登場したビアンコネロをステージへと呼び込み、スペシャルなアンコールを披露。予期せぬコラボレーションでフロアはさらに湧き上がり、先ほどの光景を越える絶景が描き出されていった。

 また、この日は冒頭で記したように、上尾駅東口ペデストリアンデッキ特設ステージでも様々なパフォーマンスが行われていた。カフェ・ド・グランベルでのライヴの合間に足を運んだので、ゆっくりと観ることはできなかったが、セカイイチは必要な音だけを確実に紡ぎながら歌を響かせ、おそらく初めて彼らの歌を耳にしたであろう人たちも多くが足を止めていた。しっかりと色がある透明感。セカイイチというバンドだからこそ描ける光景に違いないだろう。
 加えて、12月には日本武道館でのライヴも控えているフラワーカンパニーズのライヴにはビックリするほどの人だかり。開放的な空間で奏でられる彼らの曲はビシビシと心へ響いてくる。決して驕ることなく、地に足をつけて活動をしてきた彼らの姿は本当に美しかった。

 上尾に新しい音楽の息吹を吹き込む為、多種多様なアーティストが集ったAGEOまちフェス。フラワーカンパニーズの鈴木が「ライヴハウスももちろんいいけど、こういうのがお祭りだね!」とライヴ中に語っていたが、各ステージで妙妙たるライヴが行われたのはもちろんのこと、温かく晴れ晴れとした空気がすべてにおいて充満していた。まだフェスとしてはまだまだ始まったばかり。今後、さらにより良いモノになっていくはず。次はどんなシーンを体感できるのか。早くも第3回の開催が楽しみになってしまった。





AGEOまちフェス
http://www.ageocci.or.jp/ageo-machi-fes/2015/index.html